David Gilmour / On an Island


On an Island

ピンクフロイドのギターであるところのギルモアちゃんのソロ。
後期フロイドの2枚のスタジオ盤と2度に渡るツアーでぼろ儲けして、肩の凝る仕事に終止符を打ってしまったんでしょう。
ゆったりとやっています。年齢も年齢ですから。
背筋が凍り付く感じとか、延々と持続する緊張感を期待してはいけません。
じんわりと聴くんですよ。じんわりと。

ソロ作としては3枚目。それまでの2枚は、お世辞にも成功したとは言えない。駄作ではないが佳作程度。ごく普通のロックでしかない。
で、ひさびさの3枚目ですが、これは完成度が高い。今迄のソロでは明らかにピンクフロイドとは違うことをやろうとして、結果的に失敗したように思えますが、今回はピンクフロイドの経験を生かしているように思えます。「鬱」、「対」と2枚のリーダー作で掴んだコツをうまくソロに取り入れた感じ。

アルバム冒頭は、2曲目以降で出てくる色々な音をコラージュしたもの。この手法はDark Side of the Moonでやってましたね。
音のコラージュは最初ぐらいで、あとは特に意味深いSEは入ってませんね。また、全体的に「水」のイメージなのはすぐわかる事ですが、それ以上の深いコンセプトはないと思います。やっぱりそういうのはロジャーの趣味であって、ギルモアはあんまり興味ないのでしょう。
ソロということで色々な楽器を自分で演奏してたりします。Saxなんか気持ちいい音を出していますが、ギターを弾くときと同じセンスですね。同じ人なんだからあたりまえですが。

なお、私が買ってからちょっとしたら、DVDとセットの特別盤が出ました。
そういう事はやめてほしいんですけど。
ダブっちゃうじゃないか。