ここに、2匹 (2頭? 2尾?) のジンベエザメがいる。
左は沖縄美ら海水族館のジンベエ君。右は横浜八景島シーパラダイスのジンベエ君。
ここで、どちらのジンベエ君がアーティスティックであるか、ジンベエ君としてのアイデンティティを確立しているかを比較する。
まず、美ら海ジンベエ君の甚兵衛の具合をみる。
ジンベエ特有のマダラ模様をファンシーカラーで表現している。ジンベエ君のかわいらしさを追求した結果であろう。
一方、シーパラのジンベエ君は...
斑点模様を明確に表現している。前方と後方の違いに注目して頂きたい。後ろの方が斑点が大きいという客観的事実を見逃さないこの冷静さには驚愕する。
次に、美ら海ジンベエ君を下から見てみる。
ノッペラーとしていて、何もない。これは事実とは異なる。本物のジンベエ君の下側はノッペラーとはしていない。ジンベエ君の美しさが上面に集中しているということを考えるならば、上面に視線を集中すべきであるから、あえて下面には何も配置しない。これはキュビズムにも似た考え方である。
最後に、シーパラのジンベエ君を下から見てみる。
ご覧の通り、ヒレの存在を的確に表現している。事実を事実として受け入れて、ありのままに表現する。これぞレアリズムである。
[結論]
沖縄美ら海水族館は前衛、横浜八景島シーパラダイスは写実。
甲乙つけがたい。