Pink Floyd - The Endless River 買った

Pink Floyd のラストアルバム The Endless River を買って6回ぐらい聴いた。 The Endless River 全く期待してませんでしたが、意外と良いと思いました。 予めアナウンスされていたことですが、前作 The Division Bell 製作時のセッション音源を発掘してニューアルバムとして仕立てた作品です。つまり20年前の音源です。これを新作と考えてよいのでしょうか? このアルバムは20年前の音源そのままなのか? それとも、今になって大幅な加工を加えたものなのか? 前者ならThe Division Bell直前の「旧作」だし、後者なら「新作」です。 ヒントは2つ。 1つめはデラックスエディションに付属しているビデオです。 これには20年前のセッション映像が収録されていますが、CDの音とそっくりです。従って、大幅な加工は加えられていないことが確認できます。 2つめは、以前から出回っていた海賊盤 Secret Rarities です。 Secret Rarities これは、A Momentary Lapse of ReasonやThe Division Bellのデモ音源やアウトテイクの流出モノを集めた盤です。この盤自体はものすごくツマラナイのですが、The Endless Riverと同じ曲が収録されており、The Endless River収録の曲とほぼ同じ音なのが確認できます。やはり大幅な加工は加えられていないことがわかります。 Pink Floydは、時間をかけて練りに練った緻密な曲を作るバンドです。少なくともDark Side of the MoonからThe Wallまではそうだったでしょう。では、A Momentary Lapse of ReasonとThe Division Bellはどうだったでしょう。海賊盤Secret Raritiesを聴いて判明しました。Secret Raritiesは極めてツマラナイのに、A Momentary Lapse Of ReasonとThe Division Bellは十分に聴ける内容に仕上がっています。かなり練った証拠です。 では、今回のThe Endless Riverはどうでしょうか。 20年前の練る前の音源がほぼそのままリリースされているわけですから、緻密さとか緊迫感はありません。軽く聴くとツマラナイと思います。しかしながら、実際には結構聴けます。これは、沢山の曲を流れるように繋いだ効果だと思います。それぞれの曲はたいしたことないですが、繋ぎ方が絶妙です。これぞPink Floydの醍醐味。コンセプトアルバムではありませんが、組曲として成立しているので結構聴けるのでしょう。あと、ステレオ感も絶妙ですねぇ。これは20年前にはなかった現在の技術を投入したんでしょうねぇ。たぶん。 思えば、A Momentary Lapse Of ReasonとThe Division Bellはそれぞれの曲は練られていても、曲間がブツ切れなので興ざめしました。The Endless Riverは興ざめしません。 あと、ギルモアのソロじゃないかという人が結構いますが、実際にはライト色も強いです。これはライトのソロ作を聴けばわかること。