[2019/04/20]
新スピーカー設置。
B&W 705S2。アンプはMarantz PM-12。
最初は雑な音がするかと思ったが、そんな事はなかった。最初から丁寧な音がする。これからエージングがすすめばもっと生々しい音になるのではないか。
まあ、ゴールデンウィークにセッティングしましょ。
[スタンドに石と砂を充填]
スピーカスタンドのマニュアルには「砂を充填しなさい」と書かれていますが、やってません。
砂は洗って乾かす作業が大変そうなので、砂利と猫砂を組み合わせることにしました。
砂利は洗って乾かす作業が簡単だし、結構重いです。
猫砂はあまり重くないですが、洗う必要がありません。
近所のホームセンターで砂利と猫砂を買ってきました。
10kgの砂利が何種類も売ってましたが、袋が一番小さかったのがコレです。袋が小さいということは、比重が大きいということです。
猫砂は紙製とかオカラ製も売ってましたが、ベントナイトを選びます。
砂利をベランダに敷いて水をかけて放置します。すぐに乾きます。
スピーカスタンドのみの重量は6.1kgでした。
砂利を流し込む → 猫砂を流し込む → 揺すって砂利の隙間に猫砂を詰める
という作業を重さを測りながら左右スタンド交互に行います。
上部まで詰まりました。
詰まった状態のスタンドの重さは12.5kgになりました。
片方あたり砂利5kg、猫砂1.4kg入った計算です。
拳で叩くと、カンカン言っていた音がコツコツに変わりました。
[板を敷く]
ウチの場合、床材の下にウレタンが入っていて、歩くと足の裏がフワフワして心地いい構造になっています。
スタンドの首が長いので、上に載っているスピーカを揺するとグラグラします。低音がゆるくなる原因になるし、地震のとき心配です。
床がやわらかいので、面積の広い板を敷きます。ホームセンターで一番固そうな板を買ってきました。本当は人工大理石あたりの板が欲しいところですが、探すのが大変そうです。
また、スタンドの足板の上にダンベル5kgを2個、計10kg載せました。アディダスのロゴが目立ちすぎです。
じゃーん。
指で押してもグラグラしません。安定してます。
中音から低音にかけての濁りが減って、クリアになりました。
これにて、おおまかなセッティングは完了。
[バスレフポート微調整]
かなりクリアな音になったものの、低音がまだ変です。
ウッドベースは生々しく聞こえるのに、エレクトリックベースが妙な音に聞こえます。木が共振している音と思われます。
最初は床を疑ったのですが違いました。スピーカーの後ろの壁です。壁を叩くとボンボンと板の音がします。
B&W 705S2は、バスレフポートが背面についており、低音が後ろの壁に当たるのが原因です。
これを解消する方法は二つあります。
- 壁から離す。
- スピーカーに付属するスポンジでバスレフポートを塞ぐ
壁から離す方法は他の家具との位置関係で無理です。
今回はバスレフポートを塞ぐ方法を使います。
バスレフポートを塞ぐと、密閉型スピーカーに近い状態になります。
すると、f特カーブが変化し、低音が減り、もっと低い音は増えます。エネルギー量は同一なので、f特カーブの面積は同一です。聴感上は低音が減りますが深みは増します。またスピード感が増します。
塞ぎ方とf特の関係については、マニュアルに図があります。
今回は過剰にポートを塞いで、減りすぎた低音をアンプMaranz PM-12のトーンコントロールで補う方法をとりました。スピーカのバスレフのチューニング周波数が50Hzで、アンプのBassのトーンコントロールも50Hzなので、単純に考えると相殺になります。
実際には50Hzの低音がちゃんとしたレベルで出て、もっと下の減衰域の重低音が増えるので、全体のエネルギーが増えます。壁の反射が減るので、音質が改善します。スピード感が増します。
というわけで、理屈の上では悪いことナシです。
[キッチンスポンジ]
スピーカー付属品の2つのスポンジ、フォームリングとフォームプラグの組み合わせにより、2段階の調整ができますが、その間ぐらいが丁度良さそうでした。
そこで、台所にあったスポンジを切って使います。
ハサミで切って、ちょっと隙間があく程度にしました。
アンプ側のトーンコントロールは+5dBにしました。
これで妙な木の音が抑制され、低音が締まって自然な音に近づきました。
この状態で当分様子をみます。
[壁およびテレビとの位置関係]
そのあと、バスレフポートを塞いでいるので、後ろの壁に近づけても大丈夫ではないかと考えました。
マニュアルによれば50cm以上壁から離すと書かれていますが、ポートを塞げば近くても大丈夫では?
あと、スピーカーとスピーカーの間に物を置くのは定位が悪くなるので御法度ですが、あえてテレビを後ろに下げず、スピーカー間に設置してみました。
バスレフポートをほとんど塞ぐことで、低音がより絞まりました。壁の木のボコボコした音がほとんど混ざりません。
25cmまで後ろに下げることで、低音の量も十分です。ただしアンプのトーンコントロールでBassを+5dBにしています。
テレビとスピーカー を一列におくと定位が悪くなる心配がありましたが、実際には悪くなりませんでした、チョンマゲツィーターの効果だと思います。それどころか後ろに下りがちだったボーカルが前に出てきました。
考えんたんですが、
- スピーカー周辺に何も置かない → 奥行き完璧
- スピーカーより後ろにテレビを置く → 後ろで反射するのでボーカルが下がる
- スピーカーにテレビを並べる → ボーカルがスピーカーと同じ位置に出る
ということだと思います。
奥行き感は減ってるかもしれませんが、後ろの壁に近づけているので、まあまあ反射してると思います。
[御影石を敷く]
スピーカーを買ってから1ヶ月半、位置調整してから3週間経過したが、まだまだエージングが進んでおり、
- 中低音が前に張り出してきた。
- 低音の量が増えてきた。
という良い方向の変化があります。
しかしながら、
- わずかに木の音が混ざっている。
- 立ち上がりが遅い。特にドラムにスピード感がない。
というのが気になっています。
壁や床が柔らかいのが原因なのか、それとも足まわりの問題なのか判断できませんが、まずはセオリー通り、足元の改善をやってみます。
床板の下にウレタンが入っており、歩くとフワフワする構造なので、今までスタンドの下に木の板を敷いていました。ホームセンターで「棚板」として売っていたものです。表面が化粧板になっているので中身は不明ですが、たぶんMDFあたりでしょう。
この板が木の音を出している可能性があるので、御影石に変えてみます。
御影石は、江戸の小町なるサイトで購入しました。オーディオ用ではなく床材用の定型品なので安いです。
御影石にも色々種類があるようですが、一番重いのは「山西黒」です。今回は300x600x13mm/7.1kgを2枚買いました。
また、スタンドの足も検討します。
B&W純正スタンドの下の足は、スタンド付属品の樹脂製のものを使っています。これを硬い材料に変えてみます。
金属製スパイクは背が高いので、ホームセンターでステンレスの六角ボルトを買ってきました。ナットと組み合わせると丁度いい高さになります。
ウーハー動作の反動でスピーカー が前後に首を振るのを、テコの原理で抑えるため、御影石は長辺を前後方向にして設置します。
純正の足はM6のネジになっているので、同じM6のボルトなら取り付けも簡単。ガタもまったくありません。
【ここで視聴】
今まで木の音が混ざっていたのが嘘のようになくなり、クリアな音になりました。
立ち上がりが速くなり、ドラムが気持ちいいです。
B&Wは色付けのないモニタ風の音と言われますが、まさにこの音のことでしょう。
しかし、高音が耳障りになりました。エレキギターのディストーションが耳につきます。
【微調整】
高音が耳障りになったのは、足のステンレスによる金属音と思われます。
よってこれを純正の樹脂製に戻します。
更にアンプ (Marantz PM-12) のトーンコントロールで微調整します。
今回はTreble -1dB、Bass +5dBです。
【結果】
- わずかに混ざっていた木の音がなくなり、全くクセのないクリアな音になった。
- 立ち上がりが適度に速くなった。特にドラムが心地よい。
やはり、木の音は木板が原因でした。石の効果は素晴らしいです。
硬いからといって金属をそのまま使うのは危険なようです。金属を使う場合は塑性変形の材料と組み合わせるべきでしょう。たぶん。
これからもまだスピーカー のエージングが進むだろうし、床まわりの重さが変わったことで馴染むのに時間がかかると思われるので、しばらく様子をみます。
【追記: スタンドの足】
スタンドの足をステンレスボルトに変えて失敗しましたが、今度は木製を試してみます。
黒檀にによる三角形のインシュレータを、スタンドの下に入れてみました。
結果、純正の樹脂製との違いがわかりませんでした。
純正の樹脂の方が安定性はよろしいので、結局元に戻しました。
[インシュレーターを色々試す]
前回、スピーカスタンドの足を色々変えてみたが、今回はスピーカの下にインシュレータを入れてみます。
元々は、スピーカとスタンドをボルトで硬く固定していたわけですが、間に何か入れると良くなるのではないか。
【材料1: 木製の三角スパイクベース】
オーディオ専門店で売ってる山本音響工芸の製品。
黒檀なので、とても硬い。
結果、とても良い。クリアな音場が良く広がる。
ただし、明らかに不安定で、これを固定する方法が思いつかないので却下。残念。
【材料2,3: コルク】
柔らかい材料だとナチュラルな音になったりするのかなと、試してみる。
結果、ダメダメです。単に濁った音になるだけでした。
【材料4: 10mm木製キューブ】
材料1の木製のスパイクが良い結果だったので、硬い木で、点支持に近ければ良いだろうと考え、小さい木製キューブを買ってきました。
ただし、ホームセンターで売ってる端材なので精度が低いです。
なるべく硬くて高さが揃っているのを選んで、印をつけました。
結果、結構良いです。三角スパイクベースには負けますが、クリアな音場が広がります。
3点支持の方法ですが、前2個後1個と、前1個後2個が考えられます。両方試してみたところ、
前2個後1個 → 音像が前で音場があまり後ろに広がらない。
前1個後2個 →音像が少し後ろに下がり、音場が後ろに広がる。
でした、今回は後者にしました。
さて、このままだと地震がきたらアウトなので、固定します。
キツくネジ止めすると意味がありません。厚さ数mmのスポンジとワッシャをはさみ、M6長さ30mmのボルトで軽く固定します。単なる地震対策ですから、六角レンチは使いません。グラつかない程度に指で回して固定します。
10mm木製キューブを使い、スポンジで固定する方法で落ち着きました。
[壁に吸音材]
スピーカーの右側50cmが壁で、反射がちょっと気になったので、ホームセンターでクッションレンガシートというフワフワのやつを買ってきて貼ってみた。
音場の広がりが特別によいソースの場合は効果があるようです。更に広がります。
そうでないソースの場合は、よくわかりません。
[スタンドの足をスパイクにしてみる]
スタンドの足を純正の樹脂にしていたが、セオリーどおりスパイクにしてみたい。
純正のスパイクは背が高すぎるので、Dayton AudioのDSS2-BKという真鍮製のものにしてみた。
ネジの太さがM6なのでスタンドに直接取り付けることができます。
結果、音がとてもクリアになりました。
低音の緩さが減り、中高音がハッキリして音場が広がります。これは大正解。
[ソルボセインを試す]
スタンドの足をスパイクにしたところ音がクリアになり、スピーカー下の木材のキューブがあってもなくても同じようになりました。
今度は、ソルボセインを敷くとどうなるか試します。
ゴムやらコルクやらの柔らかい素材を敷くと音が濁ったりするので、ソルボセインも怪しい限りです。
3mm厚のソルボセインをハード(H)とソフト(S)の2種類買ってみました。
それぞれ30mm角と15mm角にカットしてスピーカとスタンド間に入れてみます。
ハードとソフト → ハードの方がクリアです。ソフトはゆるいです。
30mm角と15mm角 → 15mm角の方がクリアです。
結果、ハードの15mm角を使うことにしました。
四隅に置きます。固定ネジは締めずに、かるく取り付けるだけにします。
何も入れないのに比べて、低音が僅かにゆるくなった気がしますが、全体的に厚みのある音になりました。
どちらが良いのかは趣味の問題だと思います。
1年ほどこの状態で使ったところ、スピーカー自体の音の硬さが取れてきて、結果的に低音がゆるくなりました。ソルボセインはやめて直接ねじ止めしています。
[スピーカーケーブルを変えてみる]
今まで使っていたMonster Cable社のスピーカーケーブルです。極太のを二組ずつ使ってバイワイヤリングにしていました。型番不明です。買ったのは20年位前かもしれません。
もう時代が変わっているので、新しいものに替えてみます。
今度のスピーカーケーブルは、Zonotone 6NSP-Granster 7700αです。
4芯構造なので一本でバイワイヤリングできます。
非常に硬いので被膜を剥がす作業で二日目に突入。先端に軽く半田を吸わせる作業が完了。バナナとかY端子は使いません。
Zonotoneのケーブルは派手な色で目立ちすぎてので、黒いケーブルチューブを被せることにしました。 パソコンのケーブルをまとめるやつ。
ケーブルをZonotone 6NSP-Granster 7700αに替えた結果、低音の深みが格段に増し、全体的に芳醇な音になりました。高音は質が良くなり聴きやすいサウンドに。余韻がよく出て空気感がすばらしい。
替えてみるもんですねえ。
[2022/12/02]
明日、新しいスピーカーが届くので、このスピーカーとお別れです。
クリアにしてリアル。緻密なサウンドでした。
ありがとうございました。
B&Wのスピーカーを試聴 - 705Signature / 702S3 / 804D4 へつづく。