Pink Floyd / サイケデリックの新鋭

サイケデリックの新鋭 ジャケット表
LP ジャケット表

サイケデリックの新鋭 ジャケット裏
LP ジャケット裏

最初に言っておきますが、「夜明けの口笛吹き」ではありません。 「The Piper at the Gates of Dawn」でもありません。「サイケデリックの新鋭」です。
ジャケット裏が解説になっているという、当時よくあったパターンですね。
で、その解説が興味深い。 デビューしたばかりでどういうバンドなのか良くわからないし、本国から送られてきた資料も乏しかったのでしょう。無難な事しか書かれていません。

まずは冒頭。

今、世界のポピュラー界の話題と云へば、シスコ・サウンド、フラワー・ミュージック、そしてボサ・ノヴァでしょう。こゝに紹介するLP、ピンク・フロイドはこれ等のカラーを全く打ち破ったグループで、1968年の新しいサウンドとして大いに期待が持てると思います。

まず仮名づかいにビビります。そして「思います」という控えめな表現。
そのあと、「光と音の芸術」に関して色々と論じられていますが、実際には観た事がない人が書いているようで、何とも微妙な言い回しです。

最後に4人のメンバー紹介が載っています。
ロジャーウォータースのところを引用してみましょう。

ロジャー・ウォータース - ベース・ギターとボーカル
1944年9月6日、グレイト・ブッカム生まれで23才、建築家になる為、18才の時学校を止めたが、音楽に魅せられてピンク・フロイドのメンバーに参加。彼の好物はブドー入りの菓子パン。趣味は日光浴と大きな車。読書ではS・Fが大好きだそうです。

ジャニーズのメンバー紹介でしょうか?
たぶん、本国から送られてきた情報なんでしょうなあ。東芝音楽工業株式会社の担当者の苦労が伺えます。

なんだかよくわからんが、音がサイケデリックなのは確かだし、凝ったステージをやってるらしい新人なので、邦題は「サイケデリックの新鋭」に決定!
妥当です。

よく邦題のセンスに文句をつける人がいますが、そんな事言わないでください。少ない資料で締め切りに間に合うように、なんとかやってるんですから。