映画「Dream Girls」を観てきました。
どの映画よりも一番混んでました。こりゃ、賞を取った影響なんでしょうねえ。
シュープリームスの伝記モノかと思っていたら、違うんですね。
シュープリームス「みたいな」人たちのフィクションなんですね。
あと、ジェームスブラウン「みたいな」人とか、ジャクソン5「みたいな」人たちが出てますね。なかなかうまく特徴を捉えてます。あと、ギター一本でブルースを歌う男が出てきますが、あれは誰のオマージュなんだろう。マディウォータースとかBBキングあたりかと思いますが、どちらにしろ、ちょっと時代がずれているような気もします。
徐々に時代が変わっていくと、音楽、服装、髪型が変わっていくのが面白いです。
昔は黒人音楽は白人音楽と完全に分離されていたわけですが、徐々に白人にも受け入れられるように変貌していく過程がうまく表現されています。つまりはモータウンサウンドですね。
映画の最初で彼女たちが歌うのは、まさしくソウル、これぞソウル。
ジェニファーハドソンっていうちょっと太った女の人、この人は凄いですな。だってアレですよ、ビヨンセがショボく見えてしまうんですよ。アレサフランクリンのレベルに達しています。
服装がまた昔っぽい。そして髪型がすごすぎる。スカパーあたりで時々エドサリバンショーを放送していて、シュープリームスが出てるのをみかけますが、髪型がカチンコチンでした。スプレー数本使って固めているかと思ってました。が、この映画をみてわかりました。あれはカツラだったんですね。ずーっと地毛だと思っていた私はアホですか?
時代が変わっていくと少しは自然な髪型になっていきます。服装はラメ入りのハデハデなものになっていきます。アイシャドーもピカピカ光ってます。そして曲調はどんどん白人受けするものに変わっていきます。
こういう路線の中でジャクソン5「みたいな」人たちが出てきます。白人にも解りやすい音楽です。こういう音楽は日本人にもわかりやすいですね。
で、その風潮に抗う人が出てくるわけですね。ジェームスブラウン「みたいな」人ですね。
ジェームスブラウンのライブビデオでみるステージそっくりなシーンがあります。バックバンドに指示を送りながらシャウトする、すべての楽器がリズム楽器と化す、あの世界です。白人受けなんて関係ない、もうオリジナルの世界を突き進むジェームスブラウンの姿そのままです。この真っ黒な世界、日本ではあんまりウケないですね。
「マイケルジャクソンが好きです」というと「ほほう」という反応が返ってくるわけですが、「ジェームスブラウンが好きです」というと「えええ?」みたいな反応が返ってくる事が良くあります。真っ黒すぎて受け入れられないんですね。白人の反応もそうなんでしょう。
でもジェームスブラウンは、そんなこと関係ないんですね。
なお、あれはジェームスブラウンじゃなくてマービンゲイだという話あり。
そういう、それぞれのキャラクタの目指す方向性、主張がよく表現された映画です。
曲は昔のヒット曲を使うのかと思っていましたが、違いました。当時の音楽「みたいな」曲を新たに作ったんじゃないでしょうか。このあたりにこの映画のこだわりを感じますね。
ビヨンセも自分のオリジナルの歌唱法ではなく、当時の歌い方「みたいに」歌うところがえらいです。